第1182回淡青評論

七徳堂鬼瓦

象牙の塔に笼ってはいられない…

今年2025年は、量子物理学の体系化の端緒となったドイツのハイゼンベルグらの論文の出版からちょうど100年目にあたり、それを記念して国連が国際量子科学技術年(International Year of Quantum Science and Technology、IYQ)と定めました。それに呼応して世界中でさまざまなイベントが開催されています。日本でもいくつかの大学や学会、研究所がシンポジウムや音楽会等を開いてアウトリーチ活動を展開しています。量子と言えば今や量子コンピュータの名前がすぐに思い浮かぶでしょうが、それに限らず、半導体、スマートフォン、インターネット、原子力などすべて量子物理学に基盤をおいています。IYQのキャッチコピー「100 years of quantum is just the beginning…」の通り、量子科学技術が今までの100年で世の中を大きく変えただけでなく、次の100年も良くも悪くも社会変革の駆動力となるだろうと考えられています。

最近では、量子科学のように一见実用とは无関係な学术とその社会実装の距离がますます短くなっています。人工知能や脱炭素技术など枚挙に暇がありません。そのためか、近顷、アカデミアが世间の耳目を集める机会が増えてきたような気がします。军事研究やデュアルユース技术、日本学术会议问题だけでなく、最近では米国政府の政策やロシア?ウクライナ戦争なども研究者に大きな影响を与えていることが报道されています。私の研究室はウラジオストックのグループと长年共同研究や国际シンポジウムの共催などをやってきましたが、ここ3年は完全に途絶えています。国内では、次世代研究者挑戦的研究プログラム(厂笔搁滨狈骋)での外国人留学生への支援を止めるとの报道もありました。

「科学に国境はない。しかし、科学者には祖国がある」とはフランスの细菌学者パスツールの言叶だそうです。我々アカデミアの住人といえども、さまざまな社会现象に无関心でいられるわけではありません。賛否が分かれる内外の问题に対して、科学者として何ができるのか、どう振る舞えばいいのか、闷々としながら日々の研究?教育に勤しむ毎日です…。

长谷川修司
(理学系研究科)