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2011年3月11日に発生した東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所事故 (以下、福島第一原発事故) が発生し、大量の放射性物質が環境中に放出された。これにより、農業、林業、水产业、畜产业など、私たちの食を支える产业が深刻な影響を受け、食の安全確保が喫緊の課題となった。
 
東京大学大学院農学生命科学研究科では、事故直後から研究科全体で放射性物質の動態解明や作物中の放射性物質低減に向けた調査?研究を進めてきた。本書は、事故発生から10年が経過する中で出版されたシリーズ第4弾であり、本シリーズ (全4巻) はすべてオープンアクセスとして無料で公開されている。
 
本书の掲载にあたり、ウェブサイトでは以下のように説明されている。
 
本書は、2011年3月の福島第一原発事故による放射性セシウム汚染がさまざまな農業システムに与えた影響を調査した現地研究の成果をまとめたものである。シリーズ第4巻にあたる本書では、汚染された農地や森林などの現場で実施された研究を報告している。主に、土壌、水、山地、農産物、動物に焦点を当て、事故後数年経過した後に追加で収集されたデータも提供している。これにより、農産物およびその生育環境における放射能レベルの経時変化や長期的な影響、放射性物質の農産物への取り込み過程、さらには環境システム内 (例：森林における土壌、水、樹木間) の移動経路を明らかにしている。
 
本書では、以下のような多様なトピックを扱っている (食品の放射能検査、コメや畜産の除染試験、樹木、キノコ、木材における汚染の現状、水田や森林における放射性物質の分布動態、林業?漁業への影響、消費者の意識変化)。
 
さらに、放射性セシウムの土壌および植物内での移動を可視化するリアルタイム放射性同位体イメージングシステムという先進技术の導入についても報告している。本書は、放射能の実際の変化に関する体系的なデータを提供する書籍であり、放射性降下物が農業に与えた影響を理解しようとする研究者にとって極めて貴重な資料である。また、一般の読者にとっても、環境中の放射能汚染問題をより深く理解するための手助けとなる内容となっている。
 
本プロジェクトは现在も継続中であり、东京大学大学院农学生命科学研究科の研究グループは、福岛第一原発事故の长期的な影响を评価するため、引き続き现地での调査を进めている。
 

(紹介文執筆者: 农学生命科学研究科?农学部 教授 田野井 慶太朗 / 2025)