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失い続けるイトカワ 「はやぶさ」が持ち帰った微粒子の希ガス同位体分析からわかったこと

掲载日:2011年12月7日

宇宙空间には太阳风や宇宙线などの放射线が飞び交っており、大気を持たない天体の表层は、常に放射线に曝されています。宇宙の放射线を浴びた固体物质には、特有の希ガス元素や同位体组成という形で、その记録が残っています。

イトカワの微粒子 ©JAXA

ところが、地球へ落下する陨石の表面は大気圏で加热され、そのような「星の歴史の记録」の多くを失ってしまいます。

宇宙探査机「はやぶさ」は、小惑星「イトカワ」表层の微粒子を持ち帰りました。本体は大気圏突入の高热で溶融消灭しましたが、カプセルは最后まで微粒子を守りました。アポロ计画で持ち帰られた月面试料を除くと、现在の太阳风や宇宙线の记録を残したまま地上に到着した初めての地球外物质です。

东京大学大学院理学系研究科の长尾敬介教授は、新开発の希ガス専用高感度质量分析装置を用いて3粒の试料を分析しました。太阳风と宇宙线によって作られる同位体を调べた结果、これら3つの微粒子は、太阳风を直接浴びる最表层には1000年未満、宇宙线の影响を受ける表层部にも数100万年に満たない短い期间しか存在していなかったことが分かりました。

重力の小さいイトカワは、表层の粒子を引き留め続けることができないため、表层粒子は简単に宇宙空间に失われると考えられます。今回の分析から、イトカワは100万年で数10センチのスピードで小さくなっており、やがて消えてしまうことがわかりました。イトカワの寿命は10亿年以下と计算され、46亿年の歴史を持つ太阳系と比べて、非常に短命な星であるということになります。

はやぶさは、月より远くの天体に行って试料を持ち帰るという新しい宇宙探査を実现しました。今回の成果は、はやぶさが持ち帰った微粒子の初期分析结果をまとめた6编の论文の一つとして発表されています。その他の研究成果についてはこちらをご覧ください。

论文情报

Keisuke Nagao, Ryuji Okazaki, Tomoki Nakamura, Yayoi N. Miura, Takahito Osawa, Ken-ichi Bajo, Shintaro Matsuda, Mitsuru Ebihara, Trevor R. Ireland, Fumio Kitajima, Hiroshi Naraoka, Takaaki Noguchi, Akira Tsuchiyama, Hisayoshi Yurimoto, Michael E. Zolensky, Masayuki Uesugi, Kei Shirai, Masanao Abe, Toru Yada, Yukihiro Ishibashi, Akio Fujimura, Toshifumi Mukai, Munetaka Ueno, Tatsuaki Okada, Makoto Yoshikawa, Junichiro Kawaguchi,
“Irradiation History of Itokawa Regolith Material Deduced from Noble Gases in the Hayabusa Samples”
(はやぶさ试料の希ガスからわかった、イトカワ表层物质の太阳风および宇宙线照射の歴史),
Science 26 August 2011: Vol. 333 no. 6046 pp. 1128-1131. doi: 10.1126/science.1207785

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