未来のキャンパスのヒントを分野の异なる学生たちが提案 「(仮称)赤门脇トイレ」デザインコンペの表彰式とシンポジウムを开催

东京大学は3月17日、赤门の脇に整备するトイレのデザインコンペティションの表彰式とシンポジウムを开催しました。
2020年11月13日に告知をしたこのコンペでは、小さなトイレからキャンパスを考えるための试みとして、デザインのアイデアを本学の学生?研究员から募りました。デザイン案に求められたのは、インクルーシブな社会を象徴し、これからのキャンパスにふさわしい施设としてのトイレ。この难题に総数63点の応募作品が寄せられ、8名の审査委员による2回の选考过程を経て、最优秀赏1点、优秀赏3点が选出されました。
コロナ祸のためオンラインで行われた表彰式では、审査委员长の隈研吾特别教授が、予想以上にレベルが高いデザイン案が集まった、と评価しました。「学生コンペで、しかもトイレというのは、私は世界でも闻いたことがない非常にユニークな试みだったと思う」と述べ、「デザイン的なもの、机能的なもの、インクルーシブネスに适合したものであるか、歴史的な文脉に适合したものか、といったことをバランス良く満たしたものがあるのか、当初は审査委员の中でも悬念が出ていましたが、最终的に选ばれた作品は见事に困难な课题に対する优れた回答になっていた」と话しました。

审査委员长を务めた隈研吾特别教授。自身にとっても多くの気づきが得られた重要な机会だったと今回のコンペを振り返りました。
最优秀赏を受赏したのは、新领域创成科学研究科修士课程1年の木村七音流さん、法学部4年の斋藤亘佑さん、そして医学部4年の川本亮さんという専门分野を横断した3人のグループです。隈先生が、学生とは思えない気配りのあるデザインで感铭を受けた、と讲评した案は、机能も形も异なる3つの便房を组み合わせたトイレでした。「多目的トイレという型を一度バラし、実际の当事者の方にとってどういう场所だったら使いやすいか、何があったらいいだろうか」と考えた、と木村さんは振り返りました。木村さんたちのグループは、来年度の完成を目指す実施设计にも携わります。
表彰式に続いて开催されたシンポジウムでは、コーディネーターとして副审査委员长を务めた新领域创成科学研究科の出口敦教授(キャンパス计画室长)が司会?进行し、审査委员を务めた5人の先生が、今回のコンペについて、トイレが意味するもの、さらにはポストコロナのキャンパスのあり方などについて意见を交わしました。
工学系研究科の千叶学教授は、「テーマの设定も非常に个性的で、1つ1つの案がこんな可能性もあったのか、こんな风なキャンパスの捉え方もあったのかという、気づきを与えてくれる提案が大変多かった」と评価しました。
工学系研究科の加藤耕一先生は、キャンパスの歴史性をどう表现するかに取り组んだ提案が多くあったことに言及。キャンパスについて考えることは学生の帰属意识を高めることにもつながるのではないかと振り返りました。
先端科学技术研究センターの准教授で本学バリアフリー支援室长の熊谷晋一郎先生は、电动车椅子を利用する当事者としての立场から、障害を持つ人にとってトイレは生活全般に影响を与える特别な场所だと説明しました。「例えばご饭を食べる时、勉强している时、研究している时、安心できるトイレが身近にあるというそれだけでご饭を美味しく食べられる。そして勉强に集中できる。仕事にも集中できる。逆に安心できるトイレが身近にないということが分かっている状况では、头の中の半分以上をトイレに行きたくなったらどうしよう、といったぐるぐるとした悩みにエネルギーを吸い取られてしまう」と説明しました。「インクルーシブなキャンパスを作ろうという时に、后回しにされがちなトイレという场所に着目し、そこに叡智を持ってチャレンジしたということ自体が素晴らしいと思いました」
隈先生は、今回のコンペがコロナ后の大学のキャンパスを考えるいいヒントになった、と振り返りました。「大学のキャンパスというものを、コロナの后もう1回再构成しなくてはと感じている」と述べ、「オンラインでできないものは何か、と考えたとき、キャンパスという実际の空间が大学の中で非常に重要な役割を果たしているのではないか。どんなコミュニケーションが生まれるとか、大学の歴史をどういう风に感じることができるかとか、建筑以外のキャンパスについて考える非常にいいヒントになったと感じている」と语りました。
受赏作品などに関する详细については、こちらをご覧ください。
/focus/ja/articles/z0506_00008.html

最优秀赏を受赏した「ひとのトイレ」。新领域创成科学研究科の木村七音流さん(写真右)、法学部の斋藤亘佑さん、医学部の川本亮さんがデザインしました。

表彰式では、五神総长が最优秀赏と优秀赏を受赏した4组を称えました(表彰状は后日送付)。五神総长は、今回のコンぺに予想をはるかに超える学生からの応募があったことに触れ、「改めて、东京大学の最大の财产である若い力の存在を実感しました」と话しました。