海洋生物研究で相模湾から世界へ 叁崎临海実験所に展示室を备えた教育栋が完成


理学系附属临海実験所教育栋1阶に设置された展示室。実験所の134年の歴史を物语る资料が并ぶ
神奈川県叁浦市の叁崎临海実験所で2020年8月7日、教育栋の完成披露式典が行われました。新栋は、叁崎周辺の豊富な海洋生物を展示し、地元コミュニティや产业界との连携拠点となることが期待されています。
理学系研究科附属临海実験所は、134年の歴史を夸る我が国最初の临海実験所で、世界で最も歴史の古い実験所の一つです。新栋は、二つの歴史的建物の闭锁?解体を受け建设されました。
旧水族馆と记念馆(旧本馆)はそれぞれ1930年代に、「内田ゴシック」とも呼ばれる独特の美しい建筑で知られ、东大総长も务めた内田祥叁教授(1885-1972)が建筑责任者を务める形で建てられました。
相模湾を见下ろす旧建物は长い间、临海実験所の动物学、分类学、発生学や生理学といった分野での卓越した研究を象徴する存在でした。记念馆は长年、东大の学生の実习の场として、そして国内外の研究者との共同研究の场として利用されてきました。一方、旧水族馆は、1970年の闭馆まで海洋生物の展示馆として、多くの地元市民に爱されました。

しかし、长年の利用により老朽化し、特に塩分を含んだ雨水による损伤が深刻化。修理不可能な危険建物と判断され、闭锁を余仪なくされました。解体工事は2020年3月に完了しました。
今回完成した教育栋は、実験所のこのような伝统を引継ぎ、発展させることを目指して建てられたもの。「海のショーケース」と名づけられた1阶の展示室では、旧建物で利用?保存されていた标本や物品を展示。展示室入口には、记念馆で使われていた惭惭叠厂(临海実験所の英文略称)と记された金属製の文字が移设されました。中に入ってすぐの场所に配置された説明パネルの枠には、旧水族馆の水槽の一部がはめ込まれています。
展示室は5つのエリアに分けられ、来馆者は実験所の歴史を顺にたどることができます。展示物には実験所付近の地図や、水族馆のチケット、また歴代の技术职员が採集した珍しい生物标本の数々が含まれます。中でも、天才的採集人として名を驰せた青木熊吉(1864-1940)が採集した、海绵の一种であるカイロウドウケツモドキは见もの。「熊さん」の爱称で知られた彼の仕事ぶりは、数えきれないほどの新种発见に繋がりました。
展示室には水槽コーナーがあり、生きた海洋生物を间近に见ることができます。また、実験所前所长の赤坂甲治名誉教授が开始し、现在実験所の技术职员が地元の高校等と连携を取りつつ进めている叁浦真珠プロジェクトに関连した展示もあります。このプロジェクトは、真珠养殖を通じて海洋教育を普及させ、地元产业を活性化させることが狙いです。
新栋には、相模湾から採集された様々な海洋生物を饲育したり研究したりする水槽室や、外部研究员が使える研究室も整备されています。
完成披露記念式典では、実験所で収穫された養殖真珠を、神奈川県立横須賀工業高等学校の生徒が加工して作った真珠タイピンが、記念品として来賓に贈呈されました。 工事の経緯を説明した臨海実験所の岡良隆所長は、新棟を国内外の研究者や地元、そして産業界のパートナーとの連携の拠点にしたいと述べ、展示室の定期的な一般公開に向け準備を進めたいと話しました。
理学部出身で生物学が専门の福田裕穂理事?副学长は、実験所が海洋生物学の研究?教育の発展に一层贡献することを愿うと述べました。
「海は生き物のゆりかごです。新たな命を育んで、多様な生き物を育てます。今回完成した教育栋では、このような海の神秘を明らかにして、世界へ海洋生物学への関心を広げていってほしい。そしていつの日か、この地を拠点としたノーベル赏学者がぜひ生まれてほしいと思っています」


