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サンゴに迫る海洋酸性化の胁威 骨格中のホウ素同位体の高精度分析によって解明

掲载日:2017年12月7日

© 2017 横山 祐典喜界岛からは约430歳という世界的に见ても稀な长寿ハマサンゴ群体が见つかっています。潜水器具を用いて骨格をコアリングしたのち、実験室で骨格の同位体组成を分析しました。

喜界岛の巨大ハマサンゴ群体の水中写真
喜界岛からは约430歳という世界的に见ても稀な长寿ハマサンゴ群体が见つかっています。潜水器具を用いて骨格をコアリングしたのち、実験室で骨格の同位体组成を分析しました。
© 2017 横山 祐典

东京大学大気海洋研究所の洼田薫大学院生(当时、现:海洋研究开発机构高知コア研究所/日本学术振兴会特别研究员笔顿)と横山祐典教授らの研究グループは、父岛(小笠原诸岛)と喜界岛(奄美群岛)に生息する、造礁サンゴの一种、ハマサンゴの骨格のホウ素同位体比(石灰化母液の辫贬を反映する指标)を分析した结果、近年急速に低下していることが明らかになりました。本研究により、人為的気候変化に対するサンゴ礁生态系の未来の応答を予测する上で极めて重要な知见を与えることが期待されます。

海洋酸性化は人间が大気に放出した二酸化炭素が海水に溶けることで生じている全球的环境问题です。海洋酸性化は、炭酸カルシウム骨格を生成する海洋生物(サンゴ、贝、ウニなど)の石灰化を阻害します。そのため、海洋生态系にとどまらず、人间の経済活动にまで影响することが悬念されています。

これまでの研究は、酸性やアルカリ性の状态の尺度である辫贬を変化させた水槽でサンゴを饲育することで、海洋酸性化がサンゴの石灰化に与える影响を评価したものがほとんどでした。今回研究グループが得たような野外に生息するサンゴに基づく知见はほとんどないのが现状です。

ホウ素同位体比の测定结果は、海洋酸性化による海水の辫贬低下が、石灰化母液の辫贬をも低下させ、石灰化に影响を及ぼし始めていることを示しています。近年の人為的気候変化の结果、サンゴ礁は高水温由来の白化现象の胁威にさらされていますが、海洋酸性化もまたサンゴの石灰化に対する胁威となっていることが示唆されました。

「2つの远く离れた岛から得られたハマサンゴ骨格のホウ素同位体记録にこれほど綺丽な再现性が得られるとは思いませんでした」と洼田研究员は话します。「高精度のホウ素同位体测定から、近年の変化がはっきりと捕らえられたという点に関して、我々は非常に兴奋しています。しかしながら、サンゴに対する影响を考えると、决して喜ばしい内容ではありません。なぜならば、ホウ素同位体が示唆する石灰化母液の辫贬低下は、サンゴの骨格形成の阻害につながるからです。海洋酸性化はサンゴ礁生态系に対して差し迫った胁威であると言えます」と続けます。

なお、本成果は海洋研究开発机构、产业技术総合研究所、気象研究所らとの共同研究により得られたものです。

论文情报

Kaoru Kubota, Yusuke Yokoyama, Tsuyoshi Ishikawa, Atsushi Suzuki, Masao Ishii, "Rapid decline in pH of coral calcification fluid due to incorporation of anthropogenic CO2", Scientific Reports Online Edition: 2017/08/09 (Japan time), doi:10.1038/s41598-017-07680-0.
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