自闭症の原因となる遗伝子を特定 骋础叠础受容体の运び屋タンパク质が発症の键握る


今回明らかになった自闭症が発症する仕组み
正常なマウスでは、笔齿-搁滨颁厂の働きによって骋础叠础A受容体が神経细胞の表面に正常に発现するため、社会认知机能は损なわれません。一方、笔齿-搁滨颁厂を欠损するマウスでは、骋础叠础A受容体の神経细胞表面への発现が损なわれる结果、社会认知机能に障害をきたし、自闭症に类似した行动异常が现れます。ヒトでは、11番染色体长腕の末端部が欠失するとヤコブセン症候群を発症しますが、このとき笔齿-搁滨颁厂を含む领域が欠失すると、自闭症も合わせて発症します。
© 2016 中村 勉
东京大学分子细胞生物学研究所の中村勉讲师と秋山彻教授らの研究グループは、脳の神経细胞の活动を抑える骋础叠础受容体の运搬に関与するタンパク质笔齿-搁滨颁厂が、ヤコブセン症候群患者に発症する自闭症の原因であることを特定しました。本成果は、笔齿-搁滨颁厂を标的とする自闭症の新しい薬の开発につながると期待されます。
自闭症は80~100人に1人の割合で発症する身近な発达障害で、対人関係の障害、コミュニケーションの障害、限定的な兴味や强いこだわり等の症状を特徴とします。先天的な脳の机能障害、特に社会认知机能と呼ばれる他者の心情を推し量ったり、他者に共感したりする脳の机能の障害が原因であると考えられています。しかし、その発症の详しい仕组みは分かっていません。
本研究グループは、大脳皮质?海马?扁桃体など脳の认知机能に関连する领域の神経细胞に豊富に発现しているタンパク质笔齿-搁滨颁厂を同定し、その遗伝子を欠损するマウスを作製しました。このマウスは外见的には正常でした。しかし、自分以外の他のマウスに対する兴味が少なく、他のマウスに対する反応や超音波域の鸣き声を使った母子コミュニケーションも少なく、反復行动が正常なマウスよりも多く、また习惯への强いこだわりなど、自闭症の症状に特徴的な行动异常を示すことが分かりました。さらに解析を进めたところ、笔齿-搁滨颁厂遗伝子が、ヤコブセン症候群(11番染色体长腕末端部の欠失に起因する先天异常疾患)患者の半数以上に発症する自闭症の原因となる遗伝子であると特定しました。
「笔齿-搁滨颁厂というタンパク质は大脳皮质などの神経细胞に豊富に存在し、脳の神経细胞の活动を抑える骋础叠础受容体を神経细胞の表面へ运ぶ働きがあります」と中村讲师は説明します。「今回、私たちは骋础叠础受容体の输送が自闭症の発症に関係することを明らかにしました。この输送メカニズムを标的とした薬剤を开発するなど、今回の成果は自闭症の新たな治疗戦略へ贡献できる可能性があります」と期待を寄せます。
论文情报
PX-RICS-deficient mice mimic autism spectrum disorder in Jacobsen syndrome through impaired GABAA receptor trafficking", Nature Communications Online Edition: 2016/03/16 (Japan time), doi:10.1038/ncomms10861.
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