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二酸化炭素から作る新しいプラスチック ブタジエンと二酸化炭素の共重合

掲载日:2014年3月18日

二酸化炭素は安価で大量に入手可能な炭素资源であり、二酸化炭素を原料としたプラスチックはこれまでも合成されてきた。しかし、従来の方法で二酸化炭素から合成されたプラスチックは、それぞれ、燃焼による有毒ガス(窒素酸化物)の発生、総重量における二酸化炭素の利用率の低さ、室温付近で硬さが大きく変化するという耐热性の低さなどの问题点があった。

© 野崎京子
二酸化炭素とブタジエンからプラスチックを合成する过程で、ラクトン中间体を合成することで、高い二酸化炭素导入率(29重量%)の新规プラスチックの合成を达成した。

今回、东京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻 野崎京子教授、伊藤慎库助教、中野辽大学院生(博士课程1年生)は、従来の二酸化炭素から合成されたプラスチックが抱えていた问题点をすべて解消する新しいプラスチックを二酸化炭素とブタジエンから合成することに成功した。合成ゴムの原料として大量に生产されているブタジエンと二酸化炭素から、両者が含まれる物质を合成しようとしても、1种类の化学反応だけを利用したのでは理论的に合成が不可能である。研究グループは、2种类の化学反応を组み合わせることで、この不可能を可能にし、新しいプラスチックを开発した。

新しいプラスチックは、燃やしても窒素酸化物は発生せず、二酸化炭素の含有率は29%と高い。また、高温でも容易に変形しない一方で、分解温度は最高340 ℃と高いため、溶融成形が可能である。今後は、筐体、フィルムなどとして、汎用用途での利用が期待され、生産量の拡大と生産プロセスの改良次第では、将来、二酸化炭素排出量を(わずかながら)軽減できる可能性がある。

论文情报

Ryo Nakano, Shingo Ito, Kyoko Nozaki,
“Copolymerization of Carbon Dioxide and Butadiene via a Lactone Intermediate”,
Nature Chemistry Online Edition: 2014/3/10, doi: 10.1038/nchem.1882.

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