地球内部の3次元构造を高解像度で推定できる手法の开発と応用 见えてきた中米下最下部マントルの构造


© Adapated from Figure 19 and Figure 21, Methods for inversion of body-wave waveforms for localized three-dimensional seismic structure and an application to D” structure beneath Central America , Kawai et al., Geophysical Journal International, Vol. 199.
(a) 南米下における震源、北米における観測点の分布、とそれらをつなぐ大円。(b) 中米下の最下部50 kmマントルのS波速度の水平不均質構造(標準的モデルPREMに対して)。(c-d) 中米下の最下部400 kmマントルのS波速度構造(標準的モデルPREMに対して)の断面図(b-dの単位は%)。 水平スケール約250×250 kmの高速度領域が低速度領域に囲まれている。沈み込んだファラロンプレートがマントル対流の熱境界層の温かい物質を巻き上げている。
地球は地表から深さ方向に地殻?マントル?外核?内核にわかれている。外核の境目に触れるマントル最下部は顿”(ディーダブルプライム、厚さ数百キロの层がある)领域と呼ばれる。顿”领域は、下部マントルの大部分と异なる岩石からなり、液体鉄合金からなる外核と近づくと、温度や化学组成が急変する层である。この层を介した物质やエネルギーのやり取りは地球の进化を考える上で重要な手かがりとなるが、その详细な构造はいまだ明らかになっていない。
この顿”领域の详细な3次元构造推定を可能にする新しい地震波解析手法(“ビッグデータ的”波形インバージョン法)を、东京大学大学院理学系研究科の河合研志客员研究员(兼 东京工业大学特任助教)およびロバート?ゲラー教授らが开発した。新解析手法を、北米の高密度地震観测网で収録された膨大な地震波データに适用すると、中米下の顿”领域の详细な3次元构造が推定できた。その构造には、过去に沉み込んだファラロンプレートを见ることができた。すなわち、マントル対流がファラロンプレートを地球表层からマントル最下部まで运んだのである。
今后、この手法を他の地域のデータにも适用することにより、顿”领域全体の理解が进み、地球の进化の理解につながると期待される。
论文情报
Kawai, K., K. Konishi, R.J. Geller and N. Fuji,
“Methods for inversion of body-wave waveforms for localized three-dimensional seismic structure and an application to D” beneath Central America”,
Geophysical Journal International Online Edition: 2014/2/4, doi: 10.1093/gji/ggt520.