トキソプラズマ原虫が宿主细胞侵入时に足场として利用する宿主因子を同定 原虫-宿主间相互作用の全容解明に向けての足がかり


© Kentaro Kato,
(図左)原虫侵入時に原虫-宿主間に形成されるリング様の構造(ムービングジャンクション)。原虫RON複合体(RON2/4/5/8)は宿主細胞側に移行する。 (図中央)Fcタグ付きRON4組換えタンパク質と哺乳類培養細胞膜分画との結合実験の概略 (図右)Fcタグのみ、Fc-RON4組換えタンパク質に結合するヒト由来のタンパク質。矢印はトキソプラズマ原虫RON4(TgRON4)に結合する分子量約50キロダルトンのタンパク質(宿主細胞由来のβ-チューブリン)を示す。
トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)の経口摂取により引き起こされ、妊妇の感染により流产や胎児の脳症などの先天性感染症を、エイズ患者などには重篤な症状をもたらすことがある人獣共通の感染症です。トキソプラズマ原虫や他のアピコンプレックス门に属する原虫において、宿主细胞への侵入はそれらの病原性と生存に必要不可欠です。これまでの研究により、トキソプラズマ原虫が宿主细胞(原虫の寄生対象)に侵入する际の原虫因子や宿主细胞因子の同定が进められてきましたが、因子间の相互作用についてはほとんど分かっていませんでした。
东京大学大学院农学生命科学研究科及び帯広畜产大学原虫病研究センターの加藤健太郎らの研究グループは、トキソプラズマ原虫の宿主细胞侵入に中心的な役割を果たしている搁翱狈复合体の构成因子である罢驳搁翱狈4が宿主细胞の&产别迟补;-チューブリン(细胞骨格分子)と相互作用することを明らかにしました。
本成果は、トキソプラズマ原虫の侵入过程における原虫分子と宿主细胞分子との相互作用の一端を明らかにしたものであり、细胞侵入机构の分子メカニズムの全容解明に向けた新たな知见を提供するものです。
论文情报
Hitoshi Takemae, Tatsuki Sugi, Kyousuke Kobayashi, Haiyan Gong, Akiko Ishiwa, Frances C. Recuenco, Fumi Murakoshi, Tatsuya Iwanaga, Atsuko Inomata, Taisuke Horimoto, Hiroomi Akashi, and Kentaro Kato,
“Characterization of the interaction between Toxoplasma gondii rhoptry neck protein 4 and host cellular β-tubulin”,
Scientific Reports Online Edition: 2013/11/13 (Japan time), doi: 10.1038/srep03199.