春雨直播app

ARTICLES

English

印刷

ハードからソフトへサンゴの主役交代!??酸性化で消えるサンゴ? 海洋酸性化への耐性の违いがサンゴ礁での群集シフトを引き起こす

掲载日:2013年4月1日

東京大学大学院理学系研究科の井上らは沖縄県硫黄鳥島において、 CO2ガスが喷出し海域の酸性化が起こっている海域に限っては、炭酸カルシウムの顽丈な骨格を持つ造礁サンゴに代わって、软体部の中に小さな骨片しか持たないソフトコーラルが密生していることを発见した。同発见は2009年にプレスリリースされ、いくつかのメディアにとりあげられた。

? Shihori Inoue. 硫黄鳥島の位置と、CO2濃度の低い(300-400μatm(ppm))島内の地域では造礁サンゴ群集が見られるが(上)、CO2濃度の高い(800-1000μatm)地域ではソフトコーラル群集(下)が優占する。

その后フィールドにおいて颁翱2浓度や水温、流れなどの计测を行い、さらに琉球大学において硫黄鸟岛と同じ颁翱2条件下でソフトコーラルとサンゴの飼育実験を行った。その結果、現在の300-400μatm(ppm) のCO2ではサンゴが優占するが、800-1000μatmではソフトコーラルが優占し、 1500μatmを越えるとどちらの生育も抑制されることが明らかになった。この結果は、海洋酸性化が進んだ将来のサンゴ礁において、造礁サンゴからソフトコーラルへ、さらにどちらも生育できない海域に群集シフトが起こる可能性があることを示唆している。

海洋酸性化の研究は水槽実験による个体レベルでの研究が多い中、硫黄鸟岛のように他の気体が含まれない纯粋な颁翱2ガスが喷出し酸性化が起こっている海域は、酸性化の影响を野外环境の中において生态系スケールで见ることが出来る贵重なフィールドであり、特にサンゴ礁においては、硫黄鸟岛のほかパプアニューギニアで报告されているのみである。

今回の结果から、これまで海洋酸性化によってサンゴ礁は海藻が优占する状态になると提言されてきたのに対し、ソフトコーラル群集へシフトする可能性が新たに示された。

造礁サンゴはその复雑な骨格から多くの生物の栖息场となり、骨格を积み上げてサンゴ礁をつくり自然の防波堤となる。しかし、酸性化が进むとサンゴ礁のこうした机能が丧われてしまうだろう。

论文情报

Shihori Inoue,Hajime Kayanne,Shoji Yamamoto, Haruko Kurihara,
“Spatial community shift from hard to soft corals in acidified water”,
Nature Climate Change (in press) Online Edition: 2013/3/24 ,doi:10.1038/nclimate1855

リンク

アクセス?キャンパスマップ
闭じる
柏キャンパス
闭じる
本郷キャンパス
闭じる
驹场キャンパス
闭じる