究极の昆虫ロボット 昆虫の优れた能力がロボットで明らかに

生物の优れた能力を工学的に応用することを生体模倣技术(バイオミメティクス)といい、新しいものづくりへの可能性を秘めています。特に私たちの周囲に多く见られる小さな昆虫は、シンプルな神経系でありながら多彩な行动を行い、様々な环境に适応しています。昆虫の行动のしくみを明らかにし、応用することで、环境の変化に强い适応的なシステム,特に灾害地など想定の难しい环境で自律的に活动する移动ロボットへの贡献が期待されています。しかし、生物のしくみを明らかにすることは简単なことではなく、それゆえ、目指す先の「昆虫模倣型ロボット」がどのような能力を発挥できるのか、少なくとも期待に沿うものであるか全く想像ができません。
東京大学先端科学技术研究センターの神崎亮平教授(生命知能システム)らは、昆虫自身が目となり鼻となり、そして操縦する「昆虫操縦型ロボット」を開発し、その能力を調べました。これは運転手に雄カイコガを採用することで、雌性フェロモンの匂いを探し当てる「匂い源探索ロボット」として機能します。このロボットは匂い物質(フェロモン)の流れる風洞内で100%の成功率で匂い源に定位しましたが、進行方向に対してずれた動きをするような操作を加えても、視覚や嗅覚のフィードバックを用いて進路を補正し、80%以上の成功率で匂い源にたどり着きました。
この结果は、生体模倣技术研究が目指す「昆虫模倣型ロボット」の具体的な性能、とりわけ状况の変化に対する高い适応能力を示すものであり,故障などの困难な场面でも高い适応性を発挥してさまざまな场面で活跃できる自律移动ロボットの开発への贡献が期待されます。
论文情报
Noriyasu Ando, Shuhei Emoto and Ryohei Kanzaki,
“Odour-tracking capability of a silkmoth driving a mobile robot with turning bias and time delay”,
Bioinspiration & Biomimetics 8 2013: 016008, doi: 10.1088/1748-3182/8/1/016008.