神経细胞の突起の“伸び”と“つながりやすさ”は别々に制御される 细胞骨格制御蛋白质顿颁尝碍の新しい机能を発见

神経细胞は、树状突起と轴索という二种类の突起をつくり、长く伸びた二种类の突起の间で接着が起こり「シナプス」と呼ばれる构造を形成します。シナプス间の情报のやりとりにより机能的な神経回路が発达期に形成されます。突起の伸长とシナプスの形成の両者は共に回路の形成を促进しますが、突起が十分伸びた后でシナプスが形成される必要があり、両者のバランスをきちんと调节することが必要です。

神経ネットワーク形成は軸索と樹状突起という二種類の突起が伸長し、シナプスを介したネットワークを形成することにより進行します © Shigeo Okabe
顿颁尝碍蛋白质は树状突起の先端に浓缩し、この部分で突起が伸びる事を助けます。一方で顿颁尝碍があることでこの部分は轴索とシナプスを形成することから逃れ、动的な状态を维持することができます。緑:顿颁尝碍蛋白质の分布、マジェンタ:树状突起マーカーの惭础笔2
东京大学大学院医学系研究科神経细胞生物学分野 冈部繁男教授らの研究グループでは、脳の発达障害に関连する分子である顿颁尝碍が突起の先端に局在して突起形成を促进することを见出しました。一方で顿颁尝碍分子はシナプス内にも入り込み、突起先端でシナプスの形成が过剰に起こることを抑制することも见出しました。顿颁尝碍は狈末端に微小管结合ドメイン、颁末端に蛋白质のリン酸化を行うドメインを持つキメラ分子ですが、狈末端ドメインが突起を伸ばし、颁末端ドメインがシナプス形成を阻害する事で相反する作用が生じることもわかりました。
今回の研究により神経突起の伸长とシナプス形成という二つの神経回路形成に重要な出来事のバランスが一个の分子の二つのドメインで制御されていることを初めて示しました。
本研究成果は、2013年2月5日に科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版で公開されました。なお、本研究は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として、科学研究費補助金などの助成を受けて行われました。
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论文情报
Euikyung Shin, Yutaro Kashiwagi, Toshihiko Kuriu, Hirohide Iwasaki, Teruyuki Tanaka, Hiroyuki Koizumi, Joseph G Gleeson, and Shigeo Okabe,
“Doublecortin-like kinase enhances dendritic remodeling and negatively regulates synapse maturation”,
Nature Communications Online Edition: 2012/02/05 (Japan time), doi: 10.1038/ncomms2443.