新规质量分析法によるがん细胞の极微量タンパク质の糖锁修饰解明 新たな疾患マーカーの开発促进が期待される

体を构成するタンパク质に付加する糖锁には、タンパク质の机能を制御する役割があります。糖锁に异常があると、様々な病気や病态の変化を引き起こすため、糖锁の构造やタンパク质との结合部位の解析は非常に重要です。近年、タンパク质を修饰する糖锁の构造と结合部位を同定する手段として惭础尝顿滨质量分析が必要不可欠となっていますが、あらかじめ糖锁を含むタンパク质断片(糖ペプチド)のみを単离しなければならず、専门技术や大量の试料が必要で、生体材料から得られる微量の试料を调べることは困难でした。

液体マトリックス3AQ/CHCAを用いた新規のMALDI質量分析法 © 周尾卓也
本法では、试料となるタンパク质の消化物(糖锁が付加された、あるいは未修饰のペプチドを含む)を液体マトリックス3础蚕/颁贬颁础の上に载せます。その表面で、试料中の水分が徐々に蒸発すると、水に溶けやすい糖ペプチドは中心部に浓缩され、その周辺部には非修饰ペプチドが残ります。レーザー照射による质量分析から、中心部からは糖ペプチドの、周辺部からは未修饰ペプチドの质量スペクトルがそれぞれ検出されます。
今回、东京大学医科学研究所の周尾卓也博士(骋颁翱贰による特任研究员)と清木元治教授らは、岛津製作所の田中耕一フェローらと共同で、新たに开発した手法によりがん细胞の浸润に必要なタンパク质惭罢1-惭惭笔の糖锁解析を行いました。液体マトリックス3础蚕/颁贬颁础を用いる新规手法では、マトリックス上に直接、糖ペプチドを含む混合物を载せるだけで、その场で糖ペプチドが分离?浓缩されるために、解析が容易になるだけでなく、高感度解析も可能になりました。その结果、惭罢1-惭惭笔に付加する糖锁数が一定ではなく、不均一性があることが初めて示されました。また、予想外の部位に糖锁付加が起こりうることも判明しました。今回用いられた新しい手法は、少ない试料で、正常细胞とがん细胞の糖锁修饰の変化を简便に调べ、比较することができることから、今后、新たながんマーカーの発见が期待されます。
[PDF]论文情报
Takuya Shuo, Naohiko Koshikawa, Daisuke Hoshino, Tomoko Minegishi, Hiroko Ao-Kondo, Masaaki Oyama, Sadanori Sekiya, Shinichi Iwamoto, Koichi Tanaka, Motoharu Seiki,
“Detection of the Heterogeneous O-Glycosylation Profile of MT1-MMP Expressed in Cancer Cells by a Simple MALDI-MS Method”,
PLoS ONE 7(8) (2012) e43751, doi: 10.1371/journal.pone.0043751.