「磁石でない磁気记録」を可能にする新しい电子スピン配列を発见 磁化を持たない新しい记録材料への可能性

电子は、マイナスの电荷を帯びて自転(スピン)しており、ミクロな磁石としての性质を持っています。电子スピンが同じ向きに并ぶと、その物质は磁石としての性质を持ちます。そのような物质は、磁性材料として実用的に幅広く利用されています。代表的な用途の1つに、ハードディスクなどの磁気记録媒体があります。磁気记録に用いられる材料の电子スピンの狈极がどちらを向くかによりデジタル的な0と1を表しています。
今回、理化学研究所放射光科学総合研究センタースピン秩序研究チーム有马孝尚チームリーダー、东京大学物性研究所山浦淳一助教らを中心とした共同研究グループは人工化合物颁诲2翱蝉2翱7に注目しました。この物质は、マイナス52℃以下に冷やすと金属から半导体に変化するという面白い性质を持っています。共同研究グループは、この物质の电子スピンが低温になると规则的に并ぶことによって半导体へと変化するのではないかと考え、大型放射光施设厂笔谤颈苍驳-8※2の放射光齿线を利用して翱蝉原子の电子スピンの配列を调べました。その结果、金属から半导体への変化と同期して、4つの翱蝉原子が构成する正四面体の电子スピンが、すべて内向き、あるいは外向きに并ぶことを発见しました。この特徴的な配列は、电子スピン同士が磁性を打ち消し合うため物质全体としては磁石の性质を持たず、かつデジタル的な0と1を表现することができることから、强い磁石を近づけてもほとんど影响を受けない、これまでにない新しい特徴を持つ记録材料の可能性があります。
今后、同じ型の电子スピン配列を持つ実用化可能な物质を创出することによって、これまでの磁気记録材料にはない特徴を持つ新しい记録材料の可能性が期待できます。
论文情报
J. Yamaura, K. Ohgushi, H. Ohsumi, T. Hasegawa, I. Yamauchi, K. Sugimoto, S. Takeshita, A. Tokuda, M. Takata, M. Udagawa, M. Takigawa, H. Harima, T. Arima, and Z. Hiroi,
“Tetrahedral Magnetic Order and the Metal-Insulator Transition in the Pyrochlore Lattice of Cd2Os2O7”,
Physical Review Letters 108, 247205 (2012), doi: 10.1103/PhysRevLett.108.247205.