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メダカの脳の神経回路を丸ごと解析 生殖周期を制御する脳内ニューロンと脳下垂体の周期的活动を発见

掲载日:2012年6月20日

メダカにおける排卵調節の脳内メカニズムを示す模式図 ©Yoshitaka Oka
メダカでは、日长や水温などの感覚情报が脳内に伝えられて骋苍搁贬(生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)を作るニューロンの発火活动が一日の夕方の时间帯に高まり、これにより骋苍搁贬ニューロンから骋苍搁贬が放出されて脳下垂体に作用する。一方で、骋苍搁贬は数时间后に尝贬(排卵の引き金を引く脳下垂体ホルモン)の遗伝子発现を高め、脳下垂体细胞に尝贬を作らせる。こうした过程により骋苍搁贬ペプチドは、骋苍搁贬ニューロンの発火频度が高まる夕方の时间帯に大量に放出されて脳下垂体に作用し、素早く尝贬を大量放出させることにより排卵を引き起こす。同时に、骋苍搁贬は数时间后に尝贬の遗伝子発现を上昇させるように作用して翌日の大量放出のためのストックとなる尝贬を合成する、という二重の作用をもたらすことが予想される。

东京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の冈良隆教授らの研究グループは、雌の动物が示す生殖周期が脳によるホルモン分泌の周期的调节によって生じるしくみを、骋苍搁贬1とよばれるペプチドニューロン(注1)を蛍光たんぱく质骋贵笔(注2)で光らせた遗伝子改変メダカ脳の神経活动とホルモン合成活动を解析することにより明らかにした。蛍光タンパク质标识したメダカを用いて生きたままの脳に近い状态で、生殖调节に直接関与する神経细胞からの活动を记録し、ホルモン分泌との时间的関係を明らかにしたのは世界で初めてである。雌が示す动物に固有の生殖周期を制御する脳とホルモンのしくみは、1970年代に骋苍搁贬ペプチドが発见されて以来多くの研究者の関心を引いてきたが、それを神経回路から细胞までのレベルで详细に解析するための実験动物系は存在しなかった。今回のような遗伝子改変メダカを用いると、动物の示す生理的な条件下で起きる1日の生殖周期を通じて脳と脳下垂体の活动が调节される机构をつぶさに见ることができ、今后、生殖の制御メカニズムを探索する有用な実験系として活用されることが期待される。

注1)ペプチドニューロン:ペプチドは、复数のアミノ酸よりなる分子で、ホルモンや脳内生理活性物质としてはたらく。ペプチドニューロンは、それらを作り分泌するニューロンのこと。

注2)骋贵笔:下村脩博士のノーベル赏受赏で有名になった、オワンクラゲがもつ蛍光タンパク质 green fluorescent protein の头文字を取った略称。この遗伝子を宿主の特定の遗伝子のプロモーターの下流に组み込み、宿主に导入?発现させることにより、特定の遗伝子を発现する细胞だけに骋贵笔を作らせ、蛍光标识することができる。

论文情报

苅郷友美、神田真司、高桥晶子、阿部秀树、大久保范聡、冈良隆,
“Time-of-Day-Dependent Changes in GnRH1 Neuronal Activities and Gonadotropin mRNA Expression in a Daily Spawning Fish, Medaka” ,
Endocrinology Online Edition: 2012/April/27 (Japan time), doi: 10.1210/en.2011-2022.

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