世界初、光捕获の観测に成功 日独共同チームが、ランダム媒质中での光の局在の観测に成功

光を捕まえることは、古くから人々の梦でした。ドイツには古くから伝わる「シルダの町の人々」という寓话があります。これは、家に窓を作ることを忘れてしまったために、太阳の光を袋に詰めて、家の中に运んで明かりの代わりにしようとしたがうまくいかなかった、というお话です。光を捕えることができれば、新しい光源やエネルギーとしての利用なども期待されます。しかし、现代においても、热に変えて吸収させる以外に光を捕获することは难しい问题です。
このたび、日独共同チーム(カール?フォン?オシエツキー大学オルデンブルク クリストファー?リノー教授、東京大学大学院工学系研究科 大津元一教授、八井崇准教授ら)は、ランダムに配列された酸化亜鉛ナノニードル(ナノ寸法の針状の構造)を用いて、光の捕獲の様子を実時間で観測することに、世界で初めて成功しました。
ランダムに配列されたナノニードルが光にとっての迷宫として作用し、一度光がこの媒质に入ると外に出るのが难しくなります。しかしながら、この様子を见ることは困难でした。その理由は、光が速过ぎることです。
そこで、同チームは、非常に短い时间に発生する现象を観测可能な顕微镜の开発に成功しました。この顕微镜では、数フェムト秒(フェムト秒は1000兆分の1秒)という极端に短い幅を持つ光パルスを使います。このパルス幅が、ナノニードル配列の中に光が捕えられている时间よりも短いので、捕获の様子を直接観测することができたのです。
今回の発見は純粋な基礎研究ですが、新しい照射装置やレーザなどの光源、太陽光の有効利用に大きく役立つと期待されています。 本研究は、科学技術振興機構の戦略的国際科学技術協力推進事業「日本-ドイツ研究交流」として、ドイツ研究振興協会(DFG)と協力し「ナノエレクトロニクス」分野の研究交流プロジェクト(課題名「近接場光相互作用を介した光励起移動の探求:デバイスと評価」)の一環により、東京大学と独カール?フォン?オシエツキー大学オルデンブルク、独イルミナウ工科大学と共同で進められました。
论文情报
Manfred Mascheck, Slawa Schmidt, Martin Silies, 八井崇, 北村心, 大津元一, David Leipold, Erich Runge, and Christoph Lienau,
“Observing the localization of light in space and time by ultrafast second harmonic microscopy”,
Nature Photonicsオンライン版 doi: 10.1038/NPHOTON.2012.69.