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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白と青の表紙に河東先生の似顔絵

书籍名

岩波科学ライブラリー 327 数学者の思案

着者名

判型など

158ページ、叠6判、并製

言语

日本语

発行年月日

2024年6月5日

ISBN コード

9784000297271

出版社

岩波书店

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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私は数学者だ。日本で研究、教育に携わっている者として、最近の日本の大学、特に国立大学を取り巻く环境には大きな関心がある。日本の科学研究の问题点やその対策について多くの分析、意见、提言などを见るが、数学者としての私の実感とだいぶ食い违っていると思うことが多い。また私は40年近く前にアメリカの大学院に留学して博士号を取っているので、日本と海外の大学の教育、研究环境についての国际比较にも大いに関心があるが、これについても日本で広く言われていることと、私が自分の経験から感じていることとはあまり一致していない。
 
数学は科学技术の基礎をなす学問であることは明らかだと思うが、現代の数学研究がニュースで取り上げられることはめったにないし、科学研究振興の面から数学が話題になる場合も、AIやデータサイエンスなどとの関連であることが多い。いわゆる純粋数学者がどのように研究をしているのかは、他の分野の科学者にさえほとんど知られていない。数学は実験がなく、巨額の研究費も必要とせず、大人数の研究チームもいらないし、大学院生でも自分で研究計画を立て、一人で研究することが普通である。この点、自然科学よりは人文学の研究スタイルに近い点も少なくない。
 
一方教育においては数学は试験の主力科目であるため多くの人の関心を集めており、数学の学校教育や试験に対して强い否定的感情を持っている人もたくさんいる。特に试験のあり方については议论百出である。私も东京大学の入学试験という社会的に注目度の高い试験に関与している者として、いろいろと考えるところはある。
 
本書はこのような視点から、現代の日本における数学とその研究、教育について、私の考えを書いたものである。数学そのものの内容にはまったく触れていない。私は文章を読んだり書いたりするのは好きであり、私のウェブサイトにも、専門的な英文論文からただの雑文まで多くの文章がある。本書はそれを見た岩波书店の編集者から依頼されたもので、同社の月刊誌『科学』に23回にわたって連載された文章がもとになっている。ネットの感想や直接私に言われたことなどから考えると、予想以上に広い範囲の方々に読んでもらえているようで、よかったと思う。もちろんこの本に書いたことは私の個人的な考えであり、東京大学や数学界の総意ではないが、ふだんはあまり見ることのない、数学者の考えに触れていただければ幸いである。
 

(紹介文執筆者: 数理科学研究科 教授 河東 泰之" / 2024)

本の目次

まえがき
 
数学者のなり方
 1 头の良さと研究
 2 飞び级
 3 日米大学の授业
 4 アメリカ大学院留学
 5 数学研究と英语
 6 数学研究とフランス语
 7 数学者のなり方
 8 研究と年齢
 
大学の中で
 9 试験の採点
 10 难しい试験?难しい授业
 11 入学试験
 12 専攻长?学科长
 13 日本の大学の国际化
 14 大学院重点化前の数学科大学院
 15 数学研究への公的支援
 
数学のコミュニティと研究
 16 フィールズ赏と国际数学者会议
 17 コロナ以后の海外出张
 18 ルーマニアの数学
 19 ジャーナルの编集委员
 20 プレプリントサーバー
 21 数学と物理学
 22 数学とコンピュータ科学
 23 数学者の时间感覚
 

関连情报

着者インタビュー:
数学は別の宇宙にも通じる真理! 数学研究のトップランナー?河東泰之"先生に数学の魅力を聞いてみた!#学問の面白さ (マイナビ学生の窓口ホームページ 2021年9月9日)

 
学習経験者インタビュー Vol.011
数学者 河東泰之"さん <前編> 未だ見ぬ世界を解き明かすための 「数学」というコトバ (KUMONホームページ 2014年7月4日)

 
学習経験者インタビュー Vol.011
数学者 河東泰之"さん <後編> 未だ見ぬ世界を解き明かすための 「数学」というコトバ (KUMONホームページ 2014年7月11日)

 
頭に広がる無限の数 河東泰之" (リバネス 2012年6月4日)

 
书评:
高津飛鳥 評 (『数学セミナー』通関762号 2025年4月)

 
坂内博子 (早稲田大学理工学術院教授) 評 (『数学通信』第29巻第4号 2025年2月)

 
連載「今」と「未来」を見通す科学本: 第8回 - 竹内薫 評 (文藝春秋 2024年8月8日)

 
<書評> 河東泰之"『数学者の思案』 (産経新聞 2024年6月30日)

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