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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に鋭利なオブジェの写真

书籍名

バッド?ランゲージ 悪い言叶の哲学入门

着者名

ハーマン?カペレン、ジョシュ?ディーバー (著)、 杉本 英太、仲宗根 勝仁、中根 杏樹、藤川 直也 (訳)

判型など

376ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2022年10月

ISBN コード

978-4-326-10310-2

出版社

劲草书房

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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言语哲学の目的は、言葉の使用、およびそれに関わる様々な現象 (まとめて「言语現象」と呼ぼう) を理解することである。ただし、伝統的な言语哲学は、言语現象の中でも、言葉による「知識」(情報) の伝達が「うまくいく」仕組みの解明に主眼を置いてきた。そのため、言语哲学者たちは様々な「理想化」(単純化) のもとで会話を考察してきた。たとえば、「会話の参加者は知識の共有を共通の目的とする」や「言葉の意味は一定であり、参加者に共有されている」といった想定である。この種の理想化は、言葉の基本的な働きを理解するうえで一定の有用性をもち、実際に豊かな成果を生み出してきた。しかし、このような想定が成り立つのは、せいぜい教室でのやり取りのような、いわば「行儀のよい」会話に限られる。フェイクニュースや言葉による抑圧といった「言葉の悪用」をはじめ、社会的?倫理的な問題に直結する多様な言语現象を理解するためには、このような理想化から逸脱した状況で何が起こるのかに目を向ける必要がある。
 
近年、行儀のよい会話を越えて、実社会の言葉の問題に既存の言语哲学の知見を応用しようとする「応用言语哲学」と呼びうる運動が盛り上がりを見せている。本訳書の原著であり、言葉の悪用に焦点を当てた言语哲学の入門書であるもまた、このような运动の中に位置づけることができる。
 
本書で扱われる主題は多様である——言葉の悪用 (嘘やミスリード、でたらめ、言葉による抑圧など) や悪い言葉 (蔑称、差別語、罵倒語) の使用に加え、総称表現に関連する誤謬推理、性的同意に関する問題、SNSにおける「ライク」や「エモート」の使用に伴う課題、知識伝達以外の言葉がもつ影響 (語彙効果) 等々。本書はこれらを「理想化からの逸脱」という切り口から整理したうえで、それぞれの本性と、その「悪さ」の所在について、言语と関連する限りで論じていく。ただし、本書は独自の見解の論証を目指すものではなく、むしろこれらの論点を考察する際に知っておきたい概念的ツールや既存の見解を、簡潔かつ中立的に紹介することを目指すものである。
 
蔑称の使用を例に取れば、本書では次のような問いが議論される。蔑称はどのような意味内容をもつのか。その内容はどのように相手に伝わるのか (それは「言われていること」なのか、それとも「前提されていること」なのか)。また、蔑称の使用が人を傷つけるのは、そのような意味内容 (だけ) によるのか、それとも話し手の態度の表出によるのか、あるいはその語に結びついた歴史的事実などによるのか。さらに、蔑称は罵倒表現など他の「悪い言葉」とどのように異なるのか、等々。このような問いが、「前提」や「表出」といった概念的ツールの簡潔な導入とともに、「記述内容説」、「前提説」、「表出説」、「禁止説」などの立場を紹介する形で論じられる。
 
本書は言葉の悪用に対処する具体的な解決案や指針を提供するものではない——そのような解決案はおそらくまだ誰も持ち合わせていないし、またそれを得るには哲学のみならず倫理学や法学、社会学、心理学などの知見を横断する学際的な協働が重要になるだろう。しかし、そのような解決案や指針を模索するうえで、問題となる言语現象に対する深い理解は確かに有用 (場合によっては不可欠) であるはずだ。本書は、そのような理解を目指す分野、すなわち応用言语哲学への優れた手引きである。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 助教 葛谷 潤 / 2025)

本の目次

谢辞


第一章 理想化されたコミュニケーション
 1─1 七つの典型的な理想化
 1─2 手持ちの道具を确认し、実社会に立ち戻る
 1─3 いくつかの但し书き
 1─4 本书の概要

第二章 言叶を非理想的に使う叁つの方法
 2─1 逸脱した意図:会话的推意
 2─2 なぜ推意にかかずらうのか
 2─3 逸脱した意味─前提
 2─4 逸脱したスコアボード─文脉のコントロール
 2─5 逸脱的なものから悪いものへ

第叁章 真理をぞんざいに扱う
 3─1 偽なことを述べる
 3─2 嘘とミスリード
 3─3 真理を尊重することはすべてのコミュニケーションにとって根本的なのか

第四章 でたらめと根深いでたらめ
 4─1 でたらめ
 4─2 嘘、ミスリード、でたらめからフェイクニュースへ
 4─3 根深いでたらめ(つまり、ナンセンスな、意味不明な言叶)

第五章 概念工学
 5─1 概念工学への导入:私たちは言叶が何を意味するかを気にかける
 5─2 概念工学の主论証(および小史)
 5─3 概念工学者にとってのいくつかの课题

第六章 蔑称
 6─1 导入
 6─2 记述内容説
 6─3 前提説
 6─4 表出説
 6─5 禁止説
 6─6 まとめ

第七章 语汇効果
 7─1 语汇効果を导入する:言叶の非认知的?连想的効果
 7─2 非认知的语汇効果:いくつかの実例
 7─3 公の场での议论や理论的研究における语汇効果の利用
 7─4 语汇効果の一般理论
 7─5 語彙効果はなぜ言语哲学でほとんど無視されてきたのか

第八章 総称文と欠陥のある推论
 8─1 导入:総称文とは何か
 8─2 総称文の振る舞いについてより详しく
 8─3 いくつかの兴味深い実験
 8─4 総称文:意味と认识の交わり
 8─5 要约

第九章 理想的でない言语行為
 9─1 导入
 9─2 分散した闻き手
 9─3 分散した话し手
 9─4 デジタル時代の言语行為

第一〇章 言叶による抑圧と言叶による声の封杀
 10─1 言语行為とは何か:手短な導入
 10─2 言语的抑圧
 10─3 ポルノグラフィーによる言语的抑圧
 10─4 声を封杀すること

第一一章 同意という言语行為
 11─1 同意の典型例:家の访问、医疗処置、同意书、セックス
 11─2 同意に関するいくつかの问い
 11─3 暗黙の同意の不精密さ/曖昧さ
 11─4 欺きは同意を无効にしうるか
 11─5 同意を动的に捉える
 11─6 理想化がどのようにして失败するのかを示す例としての同意

第一二章 言语の理想理論と非理想理論について考える
 12─1 理想化された理论はばかげているのか
 12─2 予测とガリレイ的理想化
 12─3 理解とミニマリストの理想化
 12─4 理想化によって何を取り除くべきか
 12─5 社会科学における理想理论と非理想理论
 12─6 言语の理想理論と非理想理論

訳者解説
 1.イントロダクション
 2.理论的理想化からの逸脱としての悪い言叶
 3.応用言语哲学と言语哲学のこれから

訳者あとがき
参考文献
索引
 

関连情报

原着:
Herman Cappelen and Josh Dever著『Bad Language - Contemporary Introductions to Philosophy of Language』 (Oxford University Press 2019年3月刊)

 
あとがきたちよみ:
あとがきたちよみ 『バッド?ランゲージ ――悪い言叶の哲学入门』 (劲草书房編集部ウェブサイト『けいそうビブリオフィル』 2022年10月12日)

 
书评:
和泉悠 (南山大学人文学部准教授) 評 (『図書新聞』3582号 2023年3月11日号)

 
イベント:
藤川直也×和泉悠 「言葉のダークサイドに抗う」 『バッド?ランゲージ 悪い言叶の哲学入门』(劲草书房) 刊行記念 (本屋B&B 2023年1月27日)

 

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