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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に日本地図と議会のイラスト

书籍名

日本の选挙制度と1票の较差

着者名

判型など

296ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2024年9月27日

ISBN コード

978-4-13-030193-0

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

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民主政治とは政治的に平等な構成メンバー全員の選好に完全あるいはほとんど完全に応答する特質を持つ理想的な政治システムである (ダール2014)。現代の大規模政治システムを民主政治にできるだけ近づけるための選挙制度は、有権者が平等に参加し、最終結果に対して平等に影響を及ぼすことができるものでなければならない。小選挙区制をはじめとする選挙制度では、第1に議員定数を州?都道府県に配分し、第2に州?都道府県内を選挙区に区割りする2段階のプロセスがとられるが、最終的にすべての選挙区の国民が選挙の最終結果に平等に影響を及ぼすことができるようにする方法は、第1段階で州?都道府県に人口比例配分して議員1人あたり人口の最大較差を2倍未満にできる真の比例代表制の方式を用いること、第2段階で選挙区の人口 (議員1人あたり人口) を、1人1票の原則にもとづいて州?都道府県の議員1人あたり人口にできる限り近づけることである。
 
本書の各章で明らかにしたことは、アメリカ、イギリス、カナダでは、地方の事情も考慮されるが、上述の方法がとられており、これが世界標準の方法であるといえる。これに対して、日本の1889年の最初の衆議院の小選挙区制から現在の小選挙区比例代表並立制までについて見ると、第1段階 (都道府県への定数配分) では、1994年を除いて真の比例代表制が用いられている。一方、第2段階 (各都道府県内での選挙区割り) では、議員1人あたり人口の均等化をめざすのではなく、人口較差を「許容される最大較差の範囲内」に収める方式が採られており、どの時点でも適正とは言いがたい結果となっている。
 
特に1994年に导入された小选挙区比例代表并立制では、第1段阶から不适正な方式が採用された。すべての都道府県にまず1议席ずつを配分し、残りを人口比例で配分する「1人别枠方式」が用いられたため、人口の少ない地方県が过大に代表され、大都市部の都府県が过小に代表される结果となった。この方式は、选挙区人口の最大较差が2倍を超えて大きくなる主要な要因として、2011年の最高裁判决で违宪と判断され、廃止された。
 
その后、アダムズ方式が导入され、大都市と地方の都道府県间における1票の较差は一定程度解消された。しかし、第2段阶の区割り基準は依然として「全国の选挙区人口の最大较差を2倍未満に抑えること」にとどまっているため、各都道府県内では选挙区间の人口较差が2倍近くに达していても、是正されないままである。

结局、「全国の选挙区人口の最大较差2倍未満」という第2段阶の基準が、アダムズ方式によって改善された都道府県间の1票の较差を、かえって再び拡大させる要因となっている。
 
本书では、世界标準からかけ离れている日本の选挙区改定方法の改革を提案する。すなわち、アダムズ方式による都道府県への定数配分によって都道府県の议员1人あたり人口の较差が2倍を相当程度下回るようになっている以上、全国の选挙区人口の最大较差2倍未満の区割り改定基準を廃して、新しい区割り改定案の作成基準として、(1)选挙区人口を都道府県の议员1人あたり人口の&辫濒耻蝉尘苍;10%以内にするものに改定する。そうすれば、(2)10年ごとの大规模国势调査结果にもとづく区割りを行ったあと、较差2倍を超える可能性が低くなるので、中间年の区割り改定を行わないこととする。それによって、(3)选挙区の安定性が10年间にわたり确保されるようになる。


引用文献
ダール,ロバートA.2014.『ポリアーキー』岩波文庫 (Dahl, Robert A. 1971. Polyarchy: Participation and Opposition. New Haven and London: Yale University Press.)
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科?法学部 名誉教授 川人 貞史 / 2025)

本の目次

第1章 民主政治と选挙制度
 1 大规模政治システムにおける民主政治
 2 大规模民主政治システムにおける选挙制度
 3 选挙制度と民主政治の质
 4 本书の构成
 
第2章 各国の选挙制度と选挙区改定
 1 アメリカ
 2 イギリス
 3 カナダ
 4 日本
 5 各国の比较
 6 结论
 
第3章 比例代表制の各方式と1票の较差
 1 民主政治における议员定数配分
 2 议员定数を都道府県に配分する方法
 3 最大剰余法
 4 最高平均法
 5 比例代表制の各方式の比较
 6 结论
 
第4章 众议院议员定数の都道府県への配分
 1 选挙法规に明记されなかった都道府県への定数配分の方法
 2 1889年の小选挙区制
 3 1900年の大选挙区制への改正
 4 1919年の小选挙区制への改正
 5 1925年の中选挙区制への改正
 6 1945年の大选挙区制への改正
 7 1947年の中选挙区制への改正
 8 结论
 
第5章 众议院议员选挙制度における区割りと1票の较差
 1 选挙制度と区割り
 2 1889年の区割り:最大限の较差容认=岛屿を除き全国で2倍未満の基準
 3 1900年の大选挙区制:区割り不要の选挙制度
 4 1919年:1900 年の踏襲と不徹底な小選挙区制の区割り
 5 1925年:SNTV の選挙区割り
 6 1947年:SNTV の選挙区割り
 7 中选挙区制における定数不均衡の是正:既存选挙区の维持と定数変更による1票の较差缩小
 8 结论
 
第6章 1994年以降の众议院议员选挙制度と1票の较差
 1 政治改革后の议员定数配分?区割りと1票の较差
 2 1994年の小选挙区比例代表并立制における定数配分と区割り
 3 1995年国势调査による改定勧告の见送り
 4 2002年の定数配分変更と选挙区割り改定
 5 2005年国势调査による改定勧告の见送り
 6 2011年最高裁判决と2013年紧急是正
 7 议院选挙制度に関する调査会と2017年の选挙区割り改定
 8 2022年の选挙区割り改定
 9 结论
 
第7章 参议院议员选挙制度と1票の较差
 1 地方区と全国区の选挙制度
 2 1947 年の地方区の定数配分
 3 1票の较差拡大をめぐる最高裁判决と1994年の定数是正
 4 2000年以降の定数是正と最高裁判决
 5 结论
 
第8章 选挙区改定方法の改革へ向けて
 1 本书の分析の要点
 2 众议院选挙制度协议会における议论
 3 众议院の选挙区改定方法の改革へ向けて
付表
参考文献
索引

関连情报

书评:
桐山桂一 (論説委員) 評「<視点>「1票の不平等」訴訟「国民主権」が宙に浮く」 (『東京新聞』 2024年11月26日)

 
前田健太郎 (東京大学教授) 評「「日本の选挙制度と1票の较差」書評 明治以来の区割り方式に改革を
」 (『朝日新闻』掲载 2024年11月16日)

 
関连记事:
まつりごと点描「选挙制度改革は本気か、「1票の等価」より问われる「生きる1票」」 (『読売新闻オンライン』2023年2月9日)

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