
书籍名
ちくま新書 1697 ウクライナ戦争
判型など
256ページ
言语
日本语
発行年月日
2022年12月
ISBN コード
978-4-480-07528-4
出版社
筑摩书房
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
2022年2月24日、ロシアによるウクライナへの全面侵略 (2014-15年に行われた最初のウクライナ侵略と区別して、本書では第二次ロシア?ウクライナ戦争と呼んでいます) が始まりました。本書は、ロシアの軍事政策を研究してきた私が、この戦争を現在進行形で観察しながら書いたものです。社会科学系の研究者の本というのは、過去に起きた事象を振り返って書くのが普通ですから、まだ評価も帰結も定まっていないことについて同時代的に書くのはジャーナリストの仕事だと思われるかもしれません。
それでも私が笔を取った理由は二つあります。まず、第二次ロシア?ウクライナ戦争は、第二次世界大戦后にロシアが関与した最大の戦争でした。ソ连时代に行われたチェコスロバキア及びハンガリーへの军事介入やアフガニスタン侵攻、ソ连崩壊后の二度にわたるチェチェン纷争、第一次ロシア?ウクライナ戦争、シリアへの军事介入と、ロシアは多くの戦争を経験してきました。しかし、第二次ウクライナ戦争は、そのどれよりも巨大です。国际的にみても、これだけの大戦争は第二次世界大戦后の世界においてあまり例がありません。ロシア军事を研究するものとして、この事态が「歴史」になるまで待っていることはできませんでした。
第二に、この戦争をどう位置付けるのかという议论に、私なりの视点を示しておきたかったということがあります。戦争を始めたのはロシアであり、どんな事情があってもそのことを正当化できないというのが私の考えです。しかし、开戦以来、日本や世界の言论空间には「ロシアにだって言い分はあるのだ」「むしろ西侧とウクライナが悪かった」という言説がかなり见られました。そのような言説も、私は一概に否定しません。実际问题として、冷戦后のロシアに対する扱いがもう少し违っていたら、こうした悲惨な戦争は起きなかったのではないかという想いもあります。
だが、この戦争は必然だったとまで言えるのかどうか。ロシアは2022年2月24日というタイミングでどうしても戦争に诉えねばならないほど追い詰められていたのか。やはりそうは言えない。これは不必要な侵略戦争だったというのが私の理解であり、そのことを本书では示したかったのです。
この文章を书いている现在、第二次ロシア?ウクライナ戦争の停戦をめぐる议论が活発化しつつあります。即时の停戦は难しいにしても、その终わりに向けた道のりはおぼろげながらに见えたきたとは言えるでしょう。となれば、今度こそ「歴史」として第二次ロシア?ウクライナ戦争を扱う必要が出てきそうです。本书がそうした议论の一つの叩き台となることを愿っています。
(紹介文執筆者: 先端科学技术研究センター 准教授 小泉 悠 / 2025)
本の目次
「世界の终わり」を待っていた场所で/舞い戻ってきた大戦争/本书の问いと构成/一当事者としての视点/若干の补足
第1章 2021年春の军事的危机(2021年1月~5月)
1 バイデン政権成立后の米露関係
集结するロシア军/あっけない幕切れ/トランプ退场に神経を尖らせるロシア/牵制は効いたか?/ウクライナ?ゲート/ナヴァリヌィ?ファクター
2 ゼレンシキー政権との関係
コメディアン惫蝉スパイ/シュタインマイヤー方式をめぐって/穷地に立たされるゼレンシキー/メドヴェチュークの政界復帰/ゼレンシキーの焦り
第2章 开戦前夜(2021年9月~2022年2月21日)
1 终わり、そして続き
ロシア军の再集结/高まる紧张/米国の「情报攻势」とロシアの「外交攻势」
2 プーチンの野望
グラデーション状の势力圏/「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」/歴史、主権、「パートナーシップ」/プーチン论文をどう読むか
3 整った侵攻準备
公开情报が暴くロシア军の动き/ベラルーシが前线基地に/非核と中立も放弃
4 プーチンのジェットコースター
迷う二人の笔者/プーチンの「ハラショー」/「虐杀」発言と膨れあがるロシア军/针の筵に座らされるラヴロフ/パワハラ会议
第3章 「特别军事作戦」(2022年2月24日~7月)
1 失败した短期决戦の目论见
斩首作戦/ロシアが张り巡らせた秘密ネットワーク/「特别军事作戦」とは何なのか/逃げ出す内通者たち/高慢と偏见/「死ななかった」ゼレンシキー
2 ウクライナの抵抗
持ち堪えるウクライナ军/「圣ジャヴェリン」の加护の下で/ウクライナの「叁位一体」/全力を出せないロシア军
3 撤退と停戦
ロシア军のキーウ撤退/会议は踊る/西侧の大规模军事援助/振り出しに戻った停戦交渉/ブチャ
4 东部をめぐる攻防
ロシアによる核の威吓/「武器が足りない!」/マリウポリの陥落とルハンシクの完全制圧/ロシア军の成功要因
第4章 転机を迎える第二次ロシア?ウクライナ戦争(2022年8月~)
1 绽びるロシアの戦争指导
军への不信を强めるプーチン/将军たちの失脚/情报机関との轧轢
2 ウクライナの巻き返し
贬滨惭础搁厂がもたらしたロシアの攻势限界/ウクライナが与えられるものと与えられないもの/主导権はついにウクライナへ
3 动员をめぐって
「我々はまだ何一つ本気を出していない」/プーチンの「ヴァイ&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;」/ロシアの动员态势/総动员は本当にできるのか/それでも総动员を発令できないプーチン/部分动员へ
4 核使用の可能性
核兵器の使用という赌け/エスカレーション抑止は机能するか/核のメッセージング/効かなかった非核エスカレーション抑止
第5章 この戦争をどう理解するか
1 新しい戦争?
テクノロジーが変えるもの、変えないもの/ Enabler とEnabled /ハイブリッド戦争 ―「戦場の外部」をめぐる戦い/ロシアの「ハイブリッドな戦争」とウクライナの「ハイブリッド戦争」
2 ロシアの军事理论から见た今次戦争
「新型戦争」/「新世代戦争」/プーチン少年の破れた梦/限定全体戦争?
3 プーチンの主张を検証する
ウクライナは「ネオナチ国家」か/根拠の薄い大量破壊兵器开発説/ロシアはなぜ北欧を攻撃しないのか/プーチンの野望説とその限界
おわりに
「古い戦争」としての第二次ロシア?ウクライナ戦争/逃れられない核の呪缚/主体的な议论の必要性
あとがき ── 小さな名前のために
関连情报
ちくま新书 ウクライナ戦争 特设ページ
着者コラム:
ウクライナ侵攻3年?识者に问う
小泉悠さんに闻く/上 「全力で殴り合う準备」せずに侵攻したロシア (『毎日新闻』 2025年2月22日)
ウクライナ侵攻3年?识者に问う
小泉悠さんに闻く/中 米露による合意「降伏の强要になりかねない」 (『毎日新闻』 2025年2月23日)
ウクライナ侵攻3年?识者に问う
小泉悠さんに闻く/下 「大日本帝国のような国」どう向き合うべきか (『毎日新闻』 2025年2月24日)
ウクライナ戦争が问う我々の人间性――小泉悠『ウクライナ戦争』 (『じんぶん堂』 2023年1月25日)
着者インタビュー:
「この戦争は、私たちの日常とつながっていて。」 (『ほぼ日』 2023年8月10日)
【ウクライナ侵攻から一年】&濒诲辩耻辞;なぜ戦争は起きるの?&谤诲辩耻辞;と子どもに闻かれたら (『痴贰搁驰』 2023年2月27日)
FEATURES: 軍事?安全保障研究から見るロシア?ウクライナ戦争 (東京大学ホームページ 2023年2月22日)
ウクライナを见捨てれば、日本も同じ运命になりうる。军事研究者の小泉悠さんは警告する【ウクライナ戦争】 (『贬鲍贵贵笔翱厂罢』 2023年1月1日)
书评:
ひらづみ!近藤雄生 評 (『読売新聞』夕刊 2023年5月29日)
入山章栄 評「なぜ古典的な「大戦争」は起きた 入山章栄氏が選ぶ一冊」 (『日本経済新聞』 2023年3月2日)
高原到 評「侵略者撃退で結束したウクライナ 「義」が決定的に欠けたロシア」 (『週刊金曜日オンライン』1410号 2023年2月3日)
书籍绍介:
新书大赏2024年 (中央公论新社 2024年3月)
拷问、虐杀、性的暴行&丑别濒濒颈辫;ウクライナ戦争は「ロシアが悪い」と言い切れる理由 (『顿滨础惭翱狈顿』辞苍濒颈苍别 2023年6月19日)
ブック?ガイド=国难に立ち向かう新国防论/ウクライナ戦争/戦う飞行船 (『世界の舰船』3月号通巻990集 2023年1月25日)
书籍绍介 (『闯ウイング』2023年3月号 2023年1月20日)
ウクライナ戦争から考える 日本を取り巻く世界の现実 (『狈滨碍碍贰滨リスキリング』 2023年1月13日)
『ウクライナ戦争』 #1 ?48時間以内に占領する?つもりだったが…ロシアが「小国のウクライナ」に苦戦する3つの軍事的理由 (『文春オンライン』 2023年1月12日)
『ウクライナ戦争』 #2「全面核戦争を覚悟しなければならない」小泉悠が明かした「ロシアが核使用に踏み切れない」事情 (『文春オンライン』 2023年1月12日)
大久保義信 評 (『J Ships』2023年2月号Vol.108 2023年1月11日)
ロシア军事の専门家?小泉悠による「ウクライナ戦争」彻底分析本に注目[新书ベストセラー] (『叠辞辞办叠补苍驳』 2022年12月24日)
倉品武文 評「読む!ヒント 2022年を振り返る1冊」 (『日本経済新聞』 2022年12月19日)
编集者のおすすめ「『ウクライナ戦争』小泉悠着 ロシア军事専门家が彻底解説」 (『产経新闻』 2022年12月17日)
メディア出演:
【特集】ロシア军の侵攻から1年、小泉悠さんと考えるウクライナ戦争のこれまでとこれから (罢叠厂ラジオ『荻上チキ?厂别蝉蝉颈辞苍』 (2023年2月21日)

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