
书籍名
幕末の合巻 江戸文学の终焉と転生
判型など
372ページ、础5判、上製
言语
日本语
発行年月日
2024年2月16日
ISBN コード
9784000616287
出版社
岩波书店
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
合巻は19世纪の江戸(明治期には东京)で出版されていた絵入りの娯楽小説である。ほぼすべての纸面に挿絵があり、文章は挿絵の余白に书き入れられている。読者は挿絵を见ながら文章を読み、物语を楽しんだ。
絵と文章が混在する合巻の紙面は、版木に墨をつけて摺る整版印刷の技术によって支えられていた。明治期に入って活版印刷が主流になると、合巻も衰退してゆく。だが、人気のあった作品や登場人物は歌舞伎やマンガなどの媒体に取り入れられ、現代まで命脈を保っている。合巻を現代の娯楽文化の源流に位置づけること、これが本書の論点の一つである。
本书は4部构成である。第1部には、合巻について考える上で知っておくべき事柄がまとめられている。第1章は合巻史の概説で、题材や创作方法の特色などに言及しつつ、合巻が発生した文化期から长编合巻の『児雷也豪杰谭』が诞生する天保期までの流れをたどる。第2章では合巻が文学研究の対象としてどのように扱われてきたか、明治初期から现代までの展开を追う。合巻を読んだことがない読者でも、第1部に目を通せば、合巻とはどのようなものかが、おおよそ理解されるものと思う。
第2部には『児雷也豪杰谭』に関する论考を、第3部には『白缝谭』に関する论考を収める。『児雷也豪杰谭』は虾蟇の妖术を使う児雷也を主人公とする作品で、児雷也と大蛇丸、纲手の叁すくみが见どころの一つである。『白缝谭』には蜘蛛の妖术を操る若菜姫が登场し、実録の『黒田騒动』などを下敷きとした物语が展开する。いずれも幕末の合巻を代表する作品だが、研究は进んでいなかった。本书では、作品の素材、构造、长编化の方法など、复数の角度からこれらの作品に光をあて、その魅力を解き明かす。
第4部は「越境」をテーマとする。第1章?第2章では、歌舞伎と合巻、読本と合巻など、ジャンル间の越境をとりあげ、第3章?第4章では、作品の内部における伝奇性と当世性の接合の问题を考察する。第5章では、『児雷也豪杰谭』を取材源として作られた抄録、讲谈、マンガ、歌舞伎などを论じる。
物语や登场人物が他のジャンルや媒体に取り入れられ、新しく生まれ変わる现象を、本书では虚构の〈転生〉としてとらえ直す。この视点は、合巻などの小説に限らず、さまざまなジャンルを论じる际にも有効である。〈転生〉する虚构と、そうでない虚构とはどこが违うのか。〈転生〉の原动力となるものは何か。その答えは、本书を読んで确かめていただければと思う。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 佐藤 至子 / 2025)
本の目次
凡 例
第一部 合巻を読むために
第一章 合巻の流れ――文化期から天保期まで
第二章 文学研究のなかの合巻
第二部 『児雷也豪杰谭』――近世娯楽小説の到达点
第一章 児雷也と虾蟇
第二章 蛇の物语と叁すくみ
第叁章 転生する物语――『児雷也豪杰谭』から『狈础搁鲍罢翱』へ
第叁部 『白缝谭』――変革への希求
第一章 体制を搅乱する妖术使い――嗣子としての若菜姫
第二章 女性たちの悲剧――伝奇のなかの现実
第叁章 叛逆の物语と土蜘蛛
第四章 「忠孝」から「善悪」へ――『白缝谭』初编?二编の构想
第五章 长编合巻を作る――キャラクターと见せ场
第四部 越境する合巻
第一章 歌舞伎と合巻――『吉皐染扶桑初鷄』
第二章 読本と合巻――『雪梅芳谭犬の草纸』『仮名読八犬伝』
第叁章 伝奇性と当世性――文政期合巻における芸者像
第四章 幕末の合巻と「江戸」
第五章 合巻と転生――虚构の生命力
おわりに
初出一覧
主要人名索引?主要书名索引
関连情报
川平敏文 評 (川平敏文のブログ『閑山子余録』 2024年3月16日)
関连记事:
佐藤至子 合巻は転生する[『図书』2024年5月号より] (飞别产岩波『たねをまく』 2024年5月7日)
関连讲座:
第138回 (2024年春季) 東京大学公開講座 (東京大学 2024年6月22日)
制约と创造
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